TSOL(東芝ソリューション)は平成18年に60人体制で設計を開始したが、翌年初めには遅延が始まったため、順次増員。平成19年3月には200人、5月には450人体制に膨れ上がっている。増員しても作業効率の向上には繋がらなかったのだが、TSOLは更に大幅な人員の増強で工程の遅れに対処しようとし、平成20年11月以降には1,300人もの体制を整えた。しかし、このような急激な増員が、かえって設計指示の不徹底や実施手順の不統一を招く事になった。
…と言っているうちに、次々と不祥事が発覚していった。
A職員は、平成16年にTSOLとNTTデータの協業応札となった業務用パソコンの調達に関与し、調達案件やシステム開発について、必要な情報をNTT データ社員に提供する見返りとして、飲食接待を受け帰宅のためのタクシー運賃の支払いを受けるようになっていった。今回の新システム(最適化計画)には直接関わらなかったが、特許庁の新システムへの移行の目的の一つがNTTデータからの脱却だったため、情報を取りにくくなっていたNTTデータは、情報収集のためA職員への飲食接待・タクシー運賃の供与を継続した。A職員へのタクシー乗車の利益の提供は71件で、合計金額は272万3700円。飲食の利益の提供は15件で合計金額は16万5080円。見返りにA職員はNTTデータに特許庁内部の資料を供与していた。
B職員は、最適化のアーキテクチャの検討、最適化計画に必要な人員の担保等、同計画の立ち上げに中心的に関与した。B職員へのタクシー乗車の利益の提供は27件で、合計金額は18万7830円。飲食の利益の提供は33件で合計金額は19万9476円。平成17年12月末頃、B職員はTSOL社員に対し、 18年7月に入札公告を予定していた運営基盤システムの設計・開発等の入札仕様書案をリークしていた。
C職員は、最適化計画の草稿、最適化のシステムアーキテクチャの設計をした。C職員へのタクシー乗車の利益の提供は22件で、合計金額は41万1850 円。飲食の利益の提供は21件で合計金額は10万6986円。平成18年4-5月頃に、TSOL社員に7月の入札公告の際に配布される予定の提案書の雛形を提供し、提案書作成の参考となったとみられる。